2011年12月16日

犬の系譜C



コロナ犬舎





 

ケロイドを持った血統犬

 

昭和四〇年代後半のわが家犬は、

黒い♂プードルで愛称をキューと言った。

血統書には「ヒルサイド・キングスオブ・グレージ」と横文字で書かれていた。

キューは母が、無償でペットショップでもらってきた犬だった。

「この子は一度死んでいる。あなたならシアワセにしてくれるでしょう」

ショップの主人はそう言ったという。

 

キューは本来ならコンクールに出しても

上位の成績が取れるほどの犬だったらしい。

 

ところが、生まれて間もなく犬舎から出火、

キューは背中に大火傷を負ってしまった。

それは大人の手のひら大のケロイドとして、

痛々しい痕跡を残した。

 

当時の僕は、肋膜炎の入院から通院生活に切り替えたが、

症状はなかなか快方に向かわず、憂うつの日々だった。

そんな僕の相手を、キューはよくつとめてくれた。

 

キューと初めて会った年は
親友と祖母が亡くなった年でもある。
出会いと別れをつくづく感じた年だった。

わが家で飛行機に乗ったり、新幹線に乗ったりして

長距離移動を経験したのは

このキューだけである。

 

キューは確か十五歳くらいまで生きたはずだ。

申し訳ないがはっきりおぼえていない……。

 

わが家のいろいろな人間模様を、かなり間近で見た

そんな犬だった。

ありがとう、キュー……。

↓ 約40年前のキュー
キュー.jpg
特価犬用アガリクス(イヌ用サプリメント)100%乾燥アガリクス茸粉末50g×2個セット5800円(定価6300円)

posted by ネコきんぐ at 16:39| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 犬だって! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月30日

チビの食事

D1000016.JPG

ネコまんまのことを書いて、
ボクにとって初めてのいえ犬だった
チビの、食事の様子を思い出した。

昭和三〇年代初期の九州南端のわが家には、
広い土間に、チビ用の食器があった。
夜、家族の食事が終わると、庭のハウスにいるチビを呼び、
屋内で食事をとらせるのだ。

祖父が魚好きだったこともあって、チビの食器には
魚の煮汁と食べかけの魚の肉や骨が乗せられていた。

チビは、実に小気味よい音で、魚の骨を噛みくだいた。
骨を砕き、汁めしを食べるときの
クチャクチャという音が、ボクは好きで、
いつも、近くにしゃがんで、チビの食事をながめる。

チビはそれが気に入らない。
ボクの顔をにらみつけては、威嚇のうなり声をあげた。

「チビは、自分のご飯をあんたに取られるかもしれないと
心配して怒るのよ」

魚の苦手なボクが取るわけがない。
それでも、ふざけて、チビのご飯に手を伸ばすと
すごい勢いで、噛みつきにきた。

その日以降、ボクは食事中のチビをからかわなくなった。
posted by ネコきんぐ at 16:30| 東京 ☀| Comment(0) | 犬だって! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月27日

犬の系譜B

国内航空券エアーズゲート

取り残されたコロ

テレビが一般に普及する前、
『コロの物語』というNHKのラジオドラマが、
日本中のお茶の間に人気だった。

コロという犬と、貧しい中年男の心の交流などを描いた、
そんなドラマだった、と思う。
中年男を牟田悌三、コロを小柳徹が演じていた。
この時代、日本の多くの家庭で飼われる犬の名前は
「コロ」と名づけられた。


続きを読む
posted by ネコきんぐ at 23:30| Comment(0) | 犬だって! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月25日

犬の系譜A

過激なちびっ子犬 ポチ

チビが死んでしまい、ほぼ同じ時期に祖父も亡くなった。
その後に、わが家に来たのは、
気の強いちびっ子犬のポチだった。

一時もジッとしていることがなく、わんぱく小僧の弟と
よく走り回っていた。

ある時、弟とじゃれあっていて、興奮したポチは
弟の頭部まで跳び上がって、かばった手に噛みついた。

庭の隅にあった、小ぶりの桜の木の下、
僕の目の前での出来事だった。

これには、弟も僕も烈火のごとく怒った
と、思う。

その数日後……。
ポチはフッと家を出て行き、

二度と帰ってこなかった。

ポチとの日々は、短かった。

posted by ネコきんぐ at 17:31| Comment(0) | 犬だって! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月22日

犬の系譜@

チビのこと

『犬の系譜』というと、椎名誠のそれを思い出す。
どの家にも、飼っていた犬とその時代にまつわる
いろいろなことがあるものだ。

さてさて、わが家の犬の系譜だが、
生まれてから故郷をあとにするまで、
わが家で飼われた犬はオス三匹、
それぞれチビ、ポチ、コロと名づけられていた。

スピッツの血が混じっているチビは、まだ母がひとり身の頃から飼われており、
子ども嫌いで、僕には怒らないが、
近所の子どもが近づくとうなり声をあげて威嚇した。
どこか僕を下に見ているような貫禄があり、
食事中に近づくと、僕にまで牙をむくようなタイプだった。

これは母から聞いた話だが、
僕がよちよち歩きの頃、庭で薪割りをしていた祖父の手元が狂い、
チビの脳天へと、刃がくい込んだ。

瀕死のチビは、母以外の誰にも手当てをさせず、
母がなだめすかしながら、薬を塗り、手ぬぐいで包帯をした。
かすかな記憶だが、鞍馬天狗のように頬被りをしたチビのかっこうを覚えている。

チビが死んだのは、僕が小学校に入る前後の頃だったと思う。
いつもは庭の一角の小さな小屋で暮らしていたが
亡くなる前の数日は、家の中に寝床をつくってもらって
そこで死んでいった。

チビのなきがらを、母がそっと抱いてやった。
かなりの老犬だったから、死因は老衰だったのだと思う。

猫の首輪 キュート&エレガント

posted by ネコきんぐ at 20:24| Comment(0) | 犬だって! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。